重症の表皮水疱症患者ではしばしば腎不全やアミロイドーシスなどの重篤な合併症や血液学的異常がみられる。我々は同患者において血清IL-6とSAAの値が持続的に上昇していることを見出した。さらに表皮角化細胞および真皮線維芽細胞においてToll様受容体(TLR)シグナルがSAAとIL-6の発現を増強すること、さらにSAAはこれらの細胞においてTLR1/2を介してSAAとIL-6の発現を誘導することを見出した。これらの結果は同患者における広範囲の慢性皮膚びらん・潰瘍部におけるTLRを介した免疫応答の持続が皮膚外臓器および血液学的のリスクを増加させる可能性を示唆する。
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