研究課題/領域番号 |
16K19725
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松尾 佳美 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 研究員 (50754355)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 神経ペプチド / ニューロメジンU / マスト細胞 |
研究実績の概要 |
本研究は、神経ペプチドの一種、ニューロメジンU (NMU) のマスト細胞の活性化機序の解明とアレルギー疾患への関与の検討を目的としている。 本年度は、マウス骨髄由来マスト細胞 (Bone marrow derived mast cell, BMMC) をstem cell factor・線維芽細胞共存下でNMUなどの神経ペプチド反応性の皮膚型マスト細胞 (Connective tissue-type mast cell, CTMC) へ分化させる方法を確立した。そしてNMUに対する反応性を確認した。CTMCをNMUで刺激すると、濃度依存性に脱顆粒を確認できた。一方、脂質代謝物の放出はほとんど認められなかった。また、NMU刺激によるCTMCの活性化に伴い、細胞内Caの上昇が認められた。 NMUの受容体に関しては、これまで末梢組織において、NMUは細胞膜上に発現するNMUR1に結合し、その生理機能を発現することが知られている。しかし、CTMCには、NMUR1はほとんど検出されなかった。 また、マウスでの検討結果に基づき、ヒト皮膚由来マスト細胞のNMUに対する応答を確認した。皮膚型マスト細胞をNMUで刺激すると、濃度依存性に脱顆粒を確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の達成目標として(1) NMU反応性マスト細胞モデルの作製 (2) NMU受容体の発現確認 (3) NMUによるマスト細胞活性化シグナルの解明 (4) NMU刺激によるマスト細胞活性化で起こる反応の評価 (5) ヒト皮膚由来マスト細胞へのNMU反応性の確認 の5つを予定していた。(1)(2)は終了しており、(3)~(5)も概ね順調に遂行できていると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度同様にNMUによる皮膚型マスト細胞の活性化の機序を明らかにするため、詳細な下流シグナルについてマウスCTMCと同様に検討する。 また、受容体に関しては、ヒト皮膚マスト細胞のNUMR1発現確認を行う。マウス、ヒト共にNMU受容体が確認できない場合は、他の受容体の関与について検討する。
|