研究課題
<1>血管肉腫におけるHSP90の発現:1)患者組織を用いて、免疫染色を行った。正常血管および老人性血管腫ではHSP90およびHSP90α蛋白質の発現を認めなかったが、血管肉腫では強発現を認めた。染色強度に基づき、半定量的に解析したところ、正常血管および老人性血管腫に比較して、有意に血管肉腫にて強発現を認めた。2)培養細胞を用いて、ウエスタンブロッティング法によりHSP90およびHSP90α蛋白質の発現を検討した。血管内皮細胞(HDMEC)・ケラチノサイト(HaCaT)・皮膚線維芽細胞に比較して有意に、血管肉腫(HAMON、ISO HAS、MOLAS、ISOS-1)にて同蛋白質の強発現を認めた。<2>HSP90阻害剤による血管肉腫への細胞増殖抑制効果:臨床試験で他悪性腫瘍にて使用されているHSP90機能を阻害するGanetespib(GA)による細胞増殖抑制効果を検討した。1)血管肉腫細胞株(HAMON、ISO HAS)にHSP90阻害剤であるGAを投与したところ、濃度依存性に細胞増殖抑制効果を認めた。またAnnexinVを用いたFACSにてアポトーシス効果を検討したところ、GA投与にて誘導された。2)実臨床にて有効であるタキサン製剤であるパクリタキセルおよびドセタキセルにより血管肉腫細胞は濃度依存性に細胞増殖が抑制された。これら薬剤にGAのIC50濃度を投与したところ、相乗的に細胞増殖が抑制された。
1: 当初の計画以上に進展している
患者組織およびin vitroに関する検討は終了できたため。
今後はin vivoにおける血管肉腫への新規治療の開発および新規細胞株の樹立を検討していく予定である。
少額のため
次年度予算と組み合わせて、試薬などの購入に充てる
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巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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