Heat shock protein 90 (HSP90) は多くの癌関連蛋白質を制御し、様々な悪性腫瘍でHSP90阻害剤の治験が行われている。本研究では、血管肉腫におけるHSP90阻害による抗腫瘍効果を検討した。血管肉腫培養細胞株および患者組織においてHSP90蛋白質は過剰発現していた。HSP90阻害により血管肉腫細胞株の増殖能・浸潤能・遊走能が抑制された。これらの抗腫瘍効果は、vascular endothelial growth factor (VEGF) signalingの下流の各種蛋白質が抑制されることに基づいていた。血管肉腫においてHSP90は治療標的になりうることが示唆された。
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