研究実績の概要 |
28年度はHDAC阻害剤がMitogen-activated protein kinase(MAPK)を始めとするキナーゼ活性に与える影響に関して解析を行った。 Belinostat, Vorinostat, Romidepsinの3種のHDAC阻害剤とHH、Hut78、MJの3株を用いて、細胞をHDAC阻害剤で刺激することによりMitogen-activated protein kinase 1(MAPK1)をはじめとするチロシンキナーゼ活性にどのような影響を及ぼすのかアレイを用いて解析を行った。 Hut78では全ての薬剤でMAPK1のある特定の箇所のチロシンのリン酸化が亢進していたが、MJでは逆にリン酸化の亢進は全ての箇所で認めなかった。HHに関してはBelinostatとRomidepsinでMAPK1の複数の箇所のチロシンのリン酸化の亢進を認めたが、Vorinostatでは変化は認めなかった。上流のキナーゼであるRAF proto-oncogene serine/threonine-protein kinase (cRAF)に関しても検討を行ったが、全てのHDAC阻害剤、細胞株の組み合わせでリン酸化の亢進は認めなかった。 他のMAPK経路に関しても解析を行ったが、C-Jun N-Terminal Kinase 3は全ての組み合わせで変化を認めず、MAP kinase p38 alphaもBelinostatの刺激でHHにおいて亢進しているのみであった。
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