本研究は正常ヒト表皮角化細胞 (NHEK)を用いてシグナル伝達及び転写制御の観点から、アトピー性皮膚炎のかゆみの難治化の鍵となるセマフォリン3A(Sema3A)の発現制御機構を解析した。ヒトSema3A遺伝子プロモーターをクローニング後、近位プロモーター領域を同定し、転写因子AP-1が結合することを明らかにした。また、AP-1、PKC及びMAPKの各阻害剤存在下ではSema3A発現が抑制されることが明らかとなった。以上の結果は、NHEKにおけるSema3Aの発現がPKC/MAPK/AP-1シグナル伝達経路を介して制御されていることを示唆した。
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