乾癬は全身性炎症性皮膚疾患で、500-100人の割合で発症し、日本には約10万-20万人の患者がおり、今後も患者は増えていくものと推定される。そのうち関節症性乾癬は皮疹に関節炎、脊椎炎、腱付着部炎などの関節症状を併発し、進行すると手指関節破壊などを生じ、患者の QOL は著しく低下する。 本研究では、関節症性乾癬におけるバイオマーカーの探索を目的とする。 久留米大学皮膚科では昨年から乾癬患者レジストリの構築し、2018年3月末現在、414名が登録されており、うち関節症性乾癬23名であった。 1.関節症性乾癬は23名のうち、内訳は男性17名、女性6名で、平均年齢は52.6歳(38-72歳)、皮膚症状から関節症状出現までの期間は平均9年(0-28年)で、4例(17%)は皮疹と関節症状が同時期に出現している。多くは皮膚症状が先行し、関節症状が出現するが、約 15%は皮膚症状と関節症状が同時に出現する。残りの約 15%で関節症状が先行するといわれているが、本研究では、関節症性乾癬患者23名のうち、17%が関節症状と皮疹が同時期に出現しており、これまでの報告と同様の結果となった。関節症状が先行した症例は本施設ではなかった。以上の内容を乾癬学会で報告した。2.関節症性乾癬患者、尋常性乾癬より得られた血清からエキソソームを抽出した。さらに得られたエキソソームよりmicroRNAを抽出し、マイクロアレイによる解析を行った。関節症性乾癬患者 vs. 尋常性乾癬、関節症性乾癬治療前後、尋常性乾癬治療前後で比較解析した。いくつかのmircoRNAについて有意差を認めており、現在解析中である。3.関節症性乾癬患者、尋常性乾癬より得られた血清よりエキソソームを抽出。エキソソームよりcDNA合成を行い、QC PCR panelによる解析を行った。現在、解析結果を検討中である。
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