Maresin 1の皮膚炎に対する抗炎症効果を検討するため、まずイミキモド誘導乾癬モデルに対する抗炎症効果を検討した。Maresin 1投与群において有意にイミキモド誘導皮膚炎の減弱効果を認めた。フローサイトメーターによる皮膚組織中における免疫細胞のプロファイル解析にて、IL-17A産生γδT細胞ならびにTh17細胞がMaresin 1投与群において減少していた。加えて、PCRによるサイトカインプロファイル解析では、IL-17Aの発現低下を認めるものの、IL-23p19の発現に差は認めなかった。以上の結果より、Maresin 1はIL-23p19より下流のシグナルを阻害している可能性が考えられた。その現象をより詳細に観察するため、IL-23皮下注による乾癬モデルにおいて、Maresin1の効果を検討すると、同様の現象が観察された。したがって、Maresin 1によりIL-23に対する反応性が低下している可能性が示唆された。 続いて、γδT細胞とTh17細胞のIL-23受容体の発現を検討した。Maresin 1の刺激により、IL-23受容体の発現が減弱していることが分かった。そのメカニズムとして。Th17細胞ならびにγδT細胞のRoRγtの発現低下を生じる事、IL-23受容体そのものに対してクラスリン依存性のinternalizationを生じることを確認した。
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