研究課題
以前、申請者らは、マウスの2段階皮膚発がん実験で、Ppp6c (PP6の触媒サブユニット)が、DMBA皮膚がんの抑制遺伝子であることを世界で初めて証明した。我々が得たPpp6c欠損皮膚にDMBA処理をして発生した腫瘍には、全例H-ras 変異が入っていた。また、がんゲノムプロジェクトの成果により、ヒト悪性黒色種には、Ppp6c遺伝子の機能欠失変異とN-rasの活性化変異が共存していた。この2つの事により、申請者は、「PP6には活性化RASによる腫瘍化を抑える働きがある」と考えた。本研究では、この仮説の実証をするための実験を行った。初期の実験で、「変異型KRASとPpp6cの欠損を同時に起こすと著しい腫瘍形成が起こる」ことを示唆するデータを得た。そこで、この現象を確認するために、以下のゲノタイプを持つマウスの匹数を揃えて本実験を行った。TAM(タモキシフェン)により、扁平上皮特異的に変異型KRAS発現を誘導できるマウスとしてK14-CreTAM;KrasLSL-G12D/+;Ppp6c+/+を用いた。また、その組織において、2重変異(変異型KRAS+Ppp6欠損)を誘導できるマウスとしてK14-CreTAM;KrasLSL-G12D/+;Ppp6cflox/floxを用いた。これらを用いて、まず、腫瘍の有無とその組織学的解析を行った。次に腫瘍形成までの表皮の変化について、経時的に組織学的な変化を解析した。
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Cancer Science
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Cancer Cell
巻: 33 ページ: 355~367.e7
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