DSPモデルラット線条体中のGSK3は対照群やDSPを形成しなかったnonDSP群と比較して、断薬1週間後で有意に低下していた。また、DSPモデルラットでは線条体中のグルタミン酸/GABA比が有意に低下していた。一方で、nonDSPラットでは線条体中のNMDA受容体2Bの発現が減少していた。これらの結果から、①DSPではグルタミン酸シグナルが減弱している、②nonDSPではNMDA2B受容体の低下により遅発性ジスキネジアを生じにくいと推測された。しかしながら、NMDA2B受容体の機能を鑑みると、nonDSPではNMDA受容体機能の低下により治療抵抗性となっている可能性があると考えられる。
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