覚せい剤精神病では、現在世界で大きな社会問題になっているが、詳細なメカニズムはまだ不明であり、根本的な治療薬が無いのが現状である。本研究では、プロテオミクス解析(iTRAQ)を用い、覚せい剤を繰り返す投与したマウスの脳におけるタンパク質を網羅的に解析した。その結果は、可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)が覚せい剤精神病の発症に関与している可能性を強く示唆した。さらに、sEHの遺伝子組み換え動物やsEHの阻害剤を用い、自発運動量や条件つけ場所嗜好性試験などの行動実験を実施し、sEHが覚せい剤精神病の発症メカニズムに重要な役割を果たし、sEHの阻害剤の治療効果も確認した。
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