研究課題/領域番号 |
16K19756
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
廣澤 徹 金沢大学, 附属病院, 助教 (80645127)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | オキシトシン / 自閉スペクトラム障害 |
研究実績の概要 |
20歳以上の知的障害のない男性ASD患者10人に対するOTの経鼻長期投与(8週間)の効果判定をプラセボコントロール2重盲検臨床薬理試験として進める予定であったが、効果量を十分に評価する必要があったため、パイロットスタディとして実際にはオープンデザインでの男性ASD患者10人に対するOTの経鼻長期投与(8週間)の効果判定を実薬のみで実施した。 被験者のリクルートは金沢大学附属病院神経科精神科の外来でおこなった。診断はAutism Diagnostic Observation Schedule (ADOS)を用いて行った(研究協力者吉村がこの資格を持つ)。 臨床的な治療効果については、薬剤投与期間の前後に、8つの心理テストを施行し、多面的に判定した。具体的には(1)Autism Diagnostic Observation Schedule (ADOS)、(2) Repetitive Behavior Scale-Revised(RBSR)、(3) Zung Self-Rating Depression Scale (SDS)、(4) The State-Trait Anxiety Inventory (STAI)、(5) The World Health Organization Quality of Life (WHOQoL)、(6) Autism spectrum Quotient、(7) Empathy Quotient (EQ)、(8)情動的表情認知テストを用いた。 治療効果の脳画像指標を確立するため、MEGにより脳の反応性をミスマッチネガティビティをもちいて評価中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
男性ASD患者を10名リクルートした。診断は予定通りADOSを用いて行った。当初プラセボ対象試験として20名をリクルートする予定であったが、効果量を十分に評価する必要があったため、まずはパイロットスタディとして実際にはオープンデザインでの男性ASD患者10人に対するOTの経鼻長期投与(8週間)の効果判定を実薬のみで実施した。 臨床的な治療効果については予定通り、薬剤投与期間の前後に、8つの心理テストを施行し、多面的に判定した。具体的には(1)Autism Diagnostic Observation Schedule (ADOS)、(2) Repetitive Behavior Scale-Revised(RBSR)、(3) Zung Self-Rating Depression Scale (SDS)、(4) The State-Trait Anxiety Inventory (STAI)、(5) The World Health Organization Quality of Life (WHOQoL)、(6) Autism spectrum Quotient、(7) Empathy Quotient (EQ)、(8)情動的表情認知テストを用いた。 現在は治療効果の脳画像指標を確立するため、MEGにより脳の反応性をミスマッチネガティビティをもちいて評価中である。
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今後の研究の推進方策 |
データ取得の継続、前年度計画すべてを継続する。 SPM をMEGにより測定された脳機能のネットワークや扁桃体におけるγ帯域の同期現象の変化を評価し、脳の生理学的状態変化から、オキシトシンの治療モニターとしての可能性を探る。上記の方法によりオキシトシンの効果の得られやすい特徴や、効果の指標となる生理学的所見を解明することで、効率的に臨床レベルでオキシトシン治療を進めるためのevidenceを作る。得られた成果を論文にまとめ、欧文医学誌に投稿・公表する。 平成28年度の協力体制を維持しながら研究を進め、研究代表者は本研究に専念する。
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次年度使用額が生じた理由 |
偶然に、被験者のリクルートとデータの取得が短期間に集中して行う事が出来たため、実験期間に比例して利用負担の増えるヘリウムガスのコスト削減を図る事ができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は短期的に集中して被験者のリクルートやデータの取得、解析ができる見込みがない。その事から長期間のMEG使用が考えられヘリウムガスのコスト削減は困難である。単価が高騰し続けているヘリウムガス料を補填するため、前年度から繰り越される費用を活用する。さらに、膨大なデータを解析するための解析ソフトウェアの補充と専門のパーソナルコンピューターの維持・購入のために研究費を活用し、研究成果を国際学会、国際科学雑誌に発表する。
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