研究課題/領域番号 |
16K19763
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
孫 樹洛 京都大学, 医学研究科, 研究員 (60771524)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 統合失調症 |
研究実績の概要 |
当初の目標としては統合失調症患者、健常被験者をを選定し、MRI 撮像画像解析を進めることとしていた。 予備解析として、統合失調症28人、年齢・性別をマッチした健常群42人を対象に、血液中のカルボニルストレスと脳構造について調べた。カルボニルストレスの評価には終末糖化産物のペントシジンとそのスカベンジャーであるピリドキサールを用い、脳構造の評価にはDiffusion Tensor Imaging (DTI)撮像後、Tract-Based Spatial Statistics (TBSS)を用いて全脳白質中心部分のmean diffusivity (MD)値、fractional anisotropy (FA)値による評価をおこなった。群間比較ではピリドキサールでは有意差あったが(HC>SC)、ペントシジン、FA値、MD値については有意差を認めなかった。また、相関解析では統合失調症群においてのみペントシジンとFA値(r=-0.511, p=0.006)、MD値(r=0.493, p=0.008)とが相関した。これらの予備解析結果を国内外の学会でポスター発表した。 また、他施設共同研究による統合失調症の脳内意味表彰の定量化、統合失調症の脳形態異常研究も行っている。その他、2論文の執筆、精神科治療学「MRI, SPECTを用いた統合失調症の脳画像」、精神科研修ノート「症候から見る状態像、意識障害(意識混濁、意識変容)」の執筆を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究費獲得以前から同様の研究を続けてきており、被験者リクルート、解析手法が概ね確立していたため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度同様被験者リクルートとデータ解析を進める。 また、次世代拡散MRI解析法であるNeurite Orientation Dispersion and Density Imaging (NODDI)による3コンパートメントモデルによる白質バイオマーカーのバリデーションを取るため、MAGNETOM Prisma 3Tを用いた撮像も開始しており、こちらの解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
MAGNETOM Prisma 3Tを用いた次世代拡散MRI解析法であるNeurite Orientation Dispersion and Density Imaging (NODDI)が可能となり、そちらに予算を回すことにしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
MAGNETOM Prisma 3Tを用いた次世代拡散MRI解析法であるNeurite Orientation Dispersion and Density Imaging (NODDI)による、白質構造異常評価を行い、これまでの予備的解析結果のバリデーションをとる。
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