研究課題
前年に引き続き統合失調症におけるカルボニルストレスと脳構造に関する画像解析を行った。統合失調症45人、年齢・性別をマッチした健常群60人を対象に、血液中のカルボニルストレスと脳構造について調べ た。カルボニルストレスの評価には終末糖化産物のペントシジンとそのスカベンジャーであるピリドキサールを用い、脳構造の評価に はDiffusion Tensor Imaging (DTI)撮像後、Tract-Based Spatial Statistics (TBSS)を用いて全脳白質中心部分の平均fractional anisotropy (FA)値による評価をおこなった。群間比較ではピリドキサール(HC>SC)、ペントシジン(HC<SC)、平均FA値(HC>SC)とも有意差を認めた。また、相関解析では統合失調症群においてのみペントシジンと平均FA値との間に有意な負の相関を認めた。これら解析結果を国内外の研究会、学会で発表した。 現在論文化に向けて準備中である。そのほか、統合失調症の脳内意味表象の定量化、統合失調症の脳形態異常研究も引き続き行っている。多施設共同研究による統合失調症の脳形態解析については、1論文「The effect of duration of illness and antipsychotics on subcortical volumes in schizophrenia: Analysis of 778 subjects, NeuroImage: Clinical」 の共著を行った。
3: やや遅れている
被験者リクルート等が遅れているため。
前年度同様被験者リクルートとデータ解析を進める。
(理由)今年度支払い予定分の研究費に関して、他の研究費による支払いが可能となったため。(使用計画)これまでの解析結果を論文化する。またMAGNETOM Prisma 3Tを用いた次世代拡散MRI解析法であるNeurite Orientation Dispersion and Density Imaging (NODDI)による撮像を進め、謝金、MRI使用料、解析設備費などに使用予定としている。
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NeuroImage: Clinical
巻: 17 ページ: 563~569
10.1016/j.nicl.2017.11.004