研究実績の概要 |
統合失調症 (SC)53人、年齢・性別をマッチした健常群 (HC)83人を対象に、血液中のカルボニルストレスとMRIでの脳構造について調べた。カルボニルストレスの評価には終末糖化産物のペントシジンとその代謝過程で低下するピリドキサールを用い、脳構造の評価に はDiffusion Tensor Imaging (DTI)撮像後、Tract-Based Spatial Statistics (TBSS)を用いて全脳白質中心部分のfractional anisotropy (FA)値、axial diffusivity (AD)値、radial diffusivity (RD)値、mean diffusivity (MD)値、による評価をおこなった。群間比較ではピリドキサール (HC>SC)、ペントシジン (HC<SC)と有意差を認め、相関解析では統合失調症群においてのみペントシジンとFA値とに負の相関 (Spearman’s ρ = -0.359, P = .008)を認めた。これらの解析結果を国内外の学会でポスター発表した。これら結果については学術誌に投稿し、現在査読中である。 このほか、国内外の学会 (14th World Congress of Biological Psychiatry 2019, 第41回日本生物学的精神医学会AsianBP2019シンポジウム) においてシンポジウム発表 (Creativity and Positive Symptoms Revisited:Structural Connectivity Analysis with Diffusion Tensor Imaging) を行った。また、共著者として論文発表 (Gray matter volume reductions in patients with schizophrenia: A replication study across two cultural backgrounds, Psychiatry Research: Neuroimaging 2019)を行った。
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