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2016 年度 実施状況報告書

自殺者血液・死後脳におけるテロメア長およびミトコンドリアDNAコピー数の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K19766
研究機関神戸大学

研究代表者

白岩 恭一  神戸大学, 医学研究科, 助教 (00420852)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード自殺 / テロメア / ミトコンドリア
研究実績の概要

末梢血白血球テロメア長やミトコンドリアDNAコピー数は様々な精神疾患や心理社会的ストレスにより異常を来すため、精神疾患やストレスの病態機序への関連及びバイオマーカーとして注目されているが、精神疾患やストレス負荷の最悪の転帰といえる「自殺」とテロメア・ミトコンドリアDNAについての研究は未だ報告がない。我々は予備的研究において、女性自殺既遂者の白血球テロメア長が異常に短縮している現象を見出した。我々は世界にも類を見ない規模の自殺既遂者の末梢血サンプルおよび死後脳サンプルを保有しており、末梢血・死後脳サンプルのテロメア長測定、テロメア長制御遺伝子の遺伝子多型・DNAメチル化解析、ミトコンドリアDNAコピー数の測定、さらに幼若期ストレスや反復拘束ストレスを負荷したストレスモデルラットの脳・血液試料を用いた多角的な解析を計画した。
H28年度は、508例の自殺者末梢血および20例の自殺者死後脳について、テロメア長・ミトコンドリアDNAコピー数を測定し、同規模の健常対照群サンプルと比較したところ、自殺者末梢血・死後脳において顕著なテロメア短縮を認めた。ミトコンドリアDNAコピー数については、自殺者末梢血で顕著に増加し、自殺者死後脳では顕著に低下していた。若年かつ女性であるほど、自殺者の末梢血テロメア短縮は対照群に比して顕著であり、高齢かつ男性であるほど、自殺者の末梢血ミトコンドリアDNAコピー数増加は対照群に比して顕著である傾向がみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すでにヒト末梢血・死後脳サンプルのテロメア長・ミトコンドリアDNAコピー数の解析が終了し、興味深いデータを得ることができている。また幼若期ストレス・反復拘束ストレスラットおよび対照群ラットの前頭前皮質・海馬・扁桃体のサンプル採取も順調に進んでおり、H29年度中にはテロメア長・テロメラーゼ活性・ミトコンドリアDNAコピー数の解析を遂行できる予定である。

今後の研究の推進方策

自殺者末梢血・死後脳サンプルの解析において、テロメア長やミトコンドリアDNAコピー数の異常を見出すことができた。今後はテロメアやミトコンドリアの機能に関わるとされる遺伝子のSNPやメチル化領域の解析や、ストレスラットモデルを用いた解析を追加し、「自殺とテロメア・ミトコンドリア異常」の分子生物学的機序にアプローチしていくことを目標とする。

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公開日: 2018-01-16  

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