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2017 年度 実績報告書

統合失調症における幻聴発生の神経活動基盤の多角的脳画像研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K19772
研究機関九州大学

研究代表者

中村 一太  九州大学, 医学研究院, 特任助教 (90771460)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード幻聴 / 統合失調症 / 脳磁図 / 聴性定常反応 / ガンマ帯域活動
研究実績の概要

幻聴は統合失調症者の50-80%に出現する主症状の1つであり、社会生活機能障害と強い関連を示す事が報告されている。さらに、幻聴に焦点を当てた治療により社会機能と生活の質(QOL)の改善が得られるとの報告もあり、幻聴発生のメカニズムの解明と幻聴に対する客観的指標の開発は、統合失調症者の社会機能とQOLの改善に大きく貢献すると考えられる。本研究の目的は、幻聴の開始、終了に伴う神経活動の即時的変化を全頭型脳磁計とfMRIを用いることで、高い空間および時間分解能をもって脳構造・機能を評価することにある。
具体的には、健常者25名、幻聴を伴わない統合失調症者25名、幻聴を伴う統合失調症者13名について脳磁図の記録を行った。脳磁図記録は3群共に音刺激(40Hzクリック音)に対する反応を記録し、さらに幻聴を伴う統合失調症者については幻聴中の自発脳活動の記録を行った。機能的MRIについては、予定していた1.5T MRIから他施設での更に高解像度の3.0テスラMRIへと変更を行った為、セッティングに時間を要し、現時点では健常者5名の記録が終了している。
現時点での解析では、幻聴を伴う統合失調症者での幻聴オンオフに関わる脳活動について、幻聴オン-オフのセクションが解析可能な割合で出現した8名について解析を行い、40Hz帯域の聴性定常反応(ASSR)の200ミリ前後で幻聴の有無による変化を認めた。このことから、幻聴を伴う統合失調症者では幻聴中の音声処理に関わるガンマ帯域活動の変化が現れ、ASSRがその指標となり得る可能性が示唆された。今後は更に対象者を増やし、fMRIを伴った詳細な解析を行うことで、幻聴の神経学的基盤の解明につながることが期待できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Right hemisphere pitch-mismatch negativity reduction in patients with major depression: An MEG study2017

    • 著者名/発表者名
      Hirakawa Noriaki、Hirano Yoji、Nakamura Itta、Hirano Shogo、Sato Jinya、Oribe Naoya、Ueno Takefumi、Kanba Shigenobu、Onitsuka Toshiaki
    • 雑誌名

      Journal of Affective Disorders

      巻: 215 ページ: 225~229

    • DOI

      doi: 10.1016/j.jad.2017.03.046

    • 査読あり
  • [学会発表] 統合失調症者の視聴覚統合機能異常:脳磁図研究2017

    • 著者名/発表者名
      中村一太
    • 学会等名
      第3回Psychiatry Neuroscience Seminar: 佐賀県

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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