ICSS(頭蓋内自己刺激)をラットを用いて行い閾値測定を行う実験を行った。この実験は当該研究課題であるうつ病グリア仮設を実証する前段階の実験であるが、安定した結果が得られなければ、データーの信頼性が揺らいでしまう本実験の土台となる部分である。ラットの頭部を切開し刺激電極を挿入しレジンで固定した後、ICSSトレーニングを行い消去学習の後、閾値を測定する工程を複数回、複数のラットで行った。頭蓋と電極の固定に一部レジンで固定する以外の強度的な工夫が必要であることが明らかになった。ICSSを管理する制御用パソコンのソフトの改良が必要であった。再現されるべき刺激閾値に想定外のゆらぎがあった。行動実験にもちいた機械自体が10年前に組み立てたもので部分的な断線はその都度修理し使っていた。刺激装置の特性に合わせプログラムも組み立てた特注機で代替機を一から開発するのではなく修繕することで対応する方針とした。オシロスコープを用いて解析したところ、刺激電極装置の出力が不安定で、矩形波であるべき出力が安定せず一定の電流値を規定した時間出力できていなかったことが分かった。刺激装置自体はすでに製造中止された型式のためサポートを受けれなかったが、トリガー出力としての機能は担保されていたのでアイソレーターを予定外に購入し対応した。本年度では閾値測定を行い、光遺伝学的介入まで行う予定であったが、機械的なトラブルもありICSSの閾値測定を行う予備実験にとどまった。
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