ラットの前頭葉グリア細胞にチャネルロドプシン(ChR2)を強制発現させ、光刺激することでグリア細胞を人工的に活性化させ、グルタミン酸を過剰に分泌させる。この時に頭蓋内自己刺激(Intracranial self-stimulation : ICSS)行動の変化を観察することで、セロトニン神経を操作すること無く、うつ病の主要症状の一つである快感消失(anhedonia)を再現することができると予想始実験を計画した。 臨床的には脳虚血後のうつ病など、うつ病の第一選択薬である、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が奏効しないうつ病のモデルを想定した。 実験の概要や一部結果に関して、平成29年9月29日、札幌にて開催された日本生物学的精神医学会で口頭発表を行った。現時点で論文作成に十分なデーターを収拾できず、今後は今回購入した機器を利用し、消耗品の再利用や他の基金を併用して完遂を目指すこととした。
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