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2016 年度 実施状況報告書

臨界期でのニューレグリン1過剰シグナルがGABAニューロン発達へ与える影響の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K19780
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

山内 崇平  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20550817)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードミクログリア / ニューレグリン / GABA / BDNF
研究実績の概要

精神疾患の発症に神経発達期におけるグリア細胞の異常が指摘されているが詳細不明である。これまでに、ミクログリアでニュレグリン1(NRG1)が発現していること、自閉スペクトラム症(ASD)モデルマウスにおいてミクログリア由来NRG1が増加しているという我々が観察した知見(ikawa et al., Brain Behavior and Immunity 2017)から、発達期における過剰なNRG1シグナルが、その後のASD症状に影響しているのではないかと仮説した。また、認知機能や臨界期の誘導に抑制性神経回路の重要性が報告されていることから、本研究では、臨界期におけるNRG1過剰シグナルが、抑制性ニューロンの発達へ与える影響および社会性や認知機能などに与える影響について解析している。
まずNRG1投与の効果を確認するために、C57BL/6マウスに組み換えヒトNRG1をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)にて希釈し、生後2日(P2)からP10までの9日間、1.0μg/kg体重で皮下投与し、対照群として同様の方法で同量のPBSを投与した。P11で脳を摘出し、MACS磁気細胞分離にてミクログリアを単離しRT-PCRを行った。しかし、予想と反してNRG(NRG1 typeⅠ, NRG1 typeⅡ, NRG1 typeⅢ, NRG2, NRG3)は両群において有意差を認めなかった。また、同様に炎症性サイトカイン(IL-1b, TNFa, IL-6)、BDNF(exon2, exon4, common)などは両群においても有意差を認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

組み換えヒトNRG1をマウスに投与することによりNRGシグナルの増強が起こること、ならびに炎症性サイトカインが増加することを想定していたが、想定通りにいかず、次にGABAニューロンを特異的に単離するために、glutamic acid decarboxylase-green fluorescence protein knock-in mice(GAD67‐GFPマウス)を用いて同様の実験を予定していたがその段階に進めていない。
現在、組み換えヒトNRG1の投与量を変更して検討している。

今後の研究の推進方策

まずは組み換えヒトNRG1の投与量を変更して効果を検討していく。それでもサイトカインシグナルが変化しないようなら、その後はBDNFに着目していく。BDNFが、海馬のGABA作動性抑制性神経回路発達に重要であることが報告されており、我々は前頭前野において検討する。ミクログリア特異的にBDNFを高発現したトランスジェニックマウスをすでに入手しており、このマウスを用いて実験を進めていく。

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公開日: 2018-01-16  

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