研究課題
近年、ニュ―ロモジュレーションの一つである経頭蓋直流電気刺激法(Transcranial direct current stimulation :tDCS)が注目されているが、統合失調症に対するtDCSの効果の実証については、不十分である。本研究では、統合失調症の認知機能障害、精神病症状に対するtDCSの有効性、安全性を検証し、臨床応用にむけたエビデンスを構築することを目的とする。今年度の成果としては、現在、統合失調症に対する研究を進めているが、まずは現在までのうつ病に対しての効果を検証し、現在使用しているデバイスの有効性を検証することとした。そして、International Brain Stimulation Conferenceにて「The neurophysiological connectivity changing in patients with depression is depends on the anodal stimulation area」を、第46回日本臨床神経生理学会学術大会で「精神疾患におけるtDCS(transcranial direct current stimulation)の効果 ─ うつ病を中心に ─」というテーマで、共同演者として発表を行った。また、解析法であるLORETAを用いた研究を継続し行い、Clinical EEG and NeuroscienceとClinical Neurophysiologyに共著者として論文化し、第46回精神神経生理学会学術大会と第19回薬物脳波学会で発表し、薬物脳波学会奨励賞を受賞した。その他、第46回精神神経生理学会学術大会では、2発表、第19回薬物脳波学会では、3発表のLORETAの脳波解析の共同演者をしている。次年度は、今までのtDCSのレビューやメタ解析を進め、論文化を目指す。さらに統合失調症に特化し、データの集積に努め解析し検証していく作業を行う。
2: おおむね順調に進展している
現在、倫理審査委員会にて研究申請は終了し、まずは健常者を対象にデバイスの信用性、電圧などの研究プロトコールの検証作業を行っている。今後、さらなる研究手法の習熟し、本研究の山場である統合失調症患者に対して、研究を行いデータの集積を行いたい。また、データの集積がある程度に達した段階で、プレリミナリーな結果として一旦解析を行う予定である。
上記にも記載した通り、本研究の山場である統合失調症患者に対して、研究を行いデータの集積を行いたい。また、データの集積がある程度に達した段階で、プレリミナリーな結果として一旦解析を行う予定である。また、tDCSについて、レビュー及びメタ解析での効果検証も併せて行い、論文化を目指したいと考えている。
研究計画に大幅な遅れはないものの、被験者に対する謝金と、解析用のソフト代が若干額が残り、次年度分として請求することとなった。次年度は、解析方法をさらに吟味しながら、ソフトの購入を検討することとする。
上記のとおりであるが、次年度はより多くの被験者に対し検査を行いその謝金と、砕石を進めるためのソフトの購入費に充填する予定である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Clinical EEG and Neuroscience
巻: aug
10.1177/1550059416662119
Clinical Neurophysiology
巻: 127 ページ: 1269-78
10.1016/j.clinph.2015.10.030.