研究課題
2018年度は、本研究に関連して下記のような進展があった。(1)頭部外傷のタウ病変をPETで定量するための解析手法の妥当性の検証を、他疾患のデータを用いて行った。(2)米国のMayo Clinicの神経病理部と研究協力を行い、慢性外傷性脳症(CTE)と診断された患者の脳切片に対して、11C-PBB3による蛍光染色、タウ免疫抗体による免疫蛍光染色を実施し、11C-PBB3が頭部外傷によるタウ病変に結合していることをin vitroで確認した。(3)本研究結果を"PET-detectable tau pathology correlates with long-term neuropsychiatric outcomes in patients with traumatic brain injury"として論文としてまとめ、海外学術誌に投稿した。本報告書の作成時点で、査読中となっている。また、Neuroreceptor Mapping 2018 (London)、JUFBI2018 (Tokyo)、ICHR2018(Kyoto)などの複数の国際学会で、口頭発表を行った。(4)次世代型のタウPET薬剤である18F-PM-PBB3を用いて、軽度反復性頭部外傷の患者を対象とする新たなPET臨床研究を開始した。元ボクシング選手、元アメリカンフットボール選手などのPET撮像を実施した。少数例であるが、CTEの神経病理学的所見に一致したトレーサーの分布を認めている。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry
巻: 89 ページ: 1208~1214
10.1136/jnnp-2018-317970
Scientific Reports
巻: 8 ページ: 8062
10.1038/s41598-018-26382-9