研究課題
これまでに得られたヒトにおけるAMPA型グルタミン酸受容体(AMPA受容体)のPET撮像データおよび代謝型グルタミン酸受容体5(mGluR5)のPET撮像データ、並びにMRSによる脳内グルタミン酸量(Glutamate concentration: Glu)のデータをもとに、脳内グルタミン酸神経伝達の機能評価のための包括的解析を行った。また、覚醒ラットにおけるグルタミン酸PETスキャンも行い、合わせて解析を行った。これらの結果をあわせると、グルタミン酸PETの活用により、脳内グルタミン酸神経伝達の鋭敏な変化が検出可能となり、疾患早期におけるグルタミン酸神経伝達の変化を定量できる可能性が考えられた。次に、統合失調症におけるグルタミン酸神経伝達について検討する前段階の中枢神経病態研究として、一部の認知症患者においてグルタミン酸PETおよびMRS撮像を行うことで、中枢神経疾患におけるグルタミン酸神経伝達変化の検討を行った。また、若干名の統合失調症患者においてグルタミン酸PETおよびMRS撮像を行い、これまでの国内外の文献のメタ解析と合わせることで、疾患におけるグルタミン酸神経伝達変化の検討を行った。今回得られた知見を学会にて発表し、グルタミン酸・ドーパミンを含めた脳内神経伝達機能の観点から統合失調症の病態解明および新規治療に結びつけるための戦略について、活発な議論を行った。
すべて 2018
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Acta Psychiatrica Scandinavica
巻: 138 ページ: 581-590
10.1111/acps.12955