研究課題/領域番号 |
16K19795
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
三木 崇弘 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, こころの診療部, 医員 (90772723)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 災害 / 子ども / メンタルヘルス |
研究実績の概要 |
平成29年度は現地調査を行った。 ・親:面接では、生活状況、困りごとについて聴取した。質問紙では親のPTSDにIES-R、抑うつ・不安、子どものトラウマ症状、子どもの問題行動、子どものレジリエンス、養育態度、不適切養育、親のコーピングスタイル、子の気質、思春期における成長に関しての質問、親の社会関係(ーシャルキャピタル、社会的ネットワーク、社会的サポート)、生活習慣、居住環境、心理的支援の介入状況、遊びの状況、心理支援の介入状況、起床・就寝時間、食事習慣、通学している小・中学校名、転居・転校に関する履歴について聴取した。 ・子ども:面接では、生活状況について聴取し、心拍測定を行った。また宮城と福島では描画を行った。また、質問紙を用いて抑うつ性尺度、自尊感情、児童用コンピテンス尺度、、思春期における成長に関しての質問、幸福感、周りの人との関係、外遊びの状況、TV視聴時間、ゲームの使用時間、学校のソーシャルキャピタル、夢や大事なものについて聴取した。 災害に限らず心的外傷が人間の心理に長期的な影響を与えることは言われているが、特に低年齢で曝露した場合にその影響が大きいと考えられている。東日本大震災時点で就学前だった子どものメンタルヘルスを継続追跡している研究は少なく、災害そのものや災害後の環境変化が子どもの暮らし、発達、心理的成長に与える影響を評価できる貴重なデータが取得できている。実際に最年長の子どもが平成29年度が中学1年生になるなど中期的な影響を評価できる年齢まで追跡できており、さらに長期的な継続が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
遅れていた平成29年の調査は概ね終えることができたが、データクリーニングと解析に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は一部残った現地調査でデータを補完しながら、並行してデータクリーニングおよび解析をすすめる。また、学会発表等研究成果の発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査で得たデータのうち、以下のデータの解析が遅れており、補助事業期間の延長を申請するに至った。 ・生体試料(唾液)からのオキシトシンのデータ解析、・身体測定の中で、心拍データからの交感神経・副交感神経の活動度とそのバランス評価、血圧・握力・身長・体重・平衡感覚の解析、・時間選好率の解析
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