本研究では、自然災害やその後の社会的環境による、親子のメンタルヘルスや問題行動への影響を調査した。これまで自然災害とメンタルヘルスの関係は指摘されてきたが、自然災害後に親の養育態度や子どもの養育環境と子どものメンタルヘルス・問題行動の関連を調査した研究は少なかった。特に東日本大震災では避難期間が長い場合もあり、長期にわたって追跡調査をした研究は少ない。悪い養育が子どものメンタルヘルスに悪影響を与えることは自明であったが、災害後でも同様であることが確認された。今後は災害後に親の養育にも社会的・物理的な支援があることが望ましい。
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