研究課題
本研究の目的は、チミジンホスホリラーゼ (TP)のSPECT製剤である123I-IIMUを頭頸部癌患者に投与して臨床的有用性を示すことであったが、平成28~29年度には123I-IIMUを患者に投与することができなかった。その理由は、123I-IIMU標識合成の原料である123I-NaI溶液(メーカーからの購入品)の組成(NaOH濃度)が変更され、合成収率が10%まで低下したためである。そこで、変更後の123I-NaI溶液の組成に合わせた123I-IIMU標識合成条件及び精製条件の再検討を行った。123I-IIMUは、123I-NaI溶液とN-Chlorosuccinimide (NCS) を反応させ123I-N-Iodosuccinimide (123I-NIS) を合成し、123I-NISと標識前駆体 (HIMU・トリフルオロ酢酸 [TFA]) を反応させ123I-IIMU・TFAを合成し、123I-IIMU・TFAを123I-IIMU・HClに塩交換しHPLCで精製する。合成検討として、長半減期で条件検討に用いやすい125I-NaI溶液で、123I-NaI溶液の組成を模擬し、123I-IIMUの合成及び精製条件を検討した。種々の最適化の結果、収率50%以上で125I-IIMUを製造できることを確認した。さらに、123I-NaI溶液を使用して123I-IIMUを合成した結果、40%の収率が得られた。製造した123I-IIMUを正常マウスに投与し、チミジンホスホリラーゼ (TP) を高発現する肝臓に集積することを確認した。TPイメージング剤として問題なく使用できることを確認できた。以上の合成検討、動物実験と並行して、FDG PETの臨床画像の後向き検討として、metabolic tumor volumeの測定およびtexture解析を行い、臨床有用性を明らかにした。
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