本研究では、腫瘍低酸素PET診断用薬剤である18F-FMISOの低酸素環境下細胞への集積機序を解明するため、質量イメージング法(IMS)を用いてFMISOの化学形態および分布を評価した。IMS検討にて、FMISO還元体のグルタチオン抱合体(Amino-FMISO-GS)のみARG、Pimonidazole染色と一致した。低酸素環境下のin vitro検討にて、FaDu(高GSH含有)細胞はT24(低GSH含有)細胞と比べて高い放射能集積、Amino-FMISO-GS生成量を示した。以上より、FMISOは低酸素状態に加え細胞のグルタチオン抱合体形成能依存的に細胞内に集積することを見出した。
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