研究課題
昨年度に引き続き、3Dプリンタ「Form2」と市販材料として透明樹脂クリアレジン、3D-Computed tomographic angiography(CTA)によるDICOMデータと画像処理ソフトウェア「3D slicer」を用いた3Dプリンタ用stl形式データの作成および透明中腔血管モデルの作成を行っている。前回と比較して、ソフトウェアの設定を変えることによりモデルの血管壁を平均6~7mmから3~4mmに薄くすることでワイヤーやカテーテルの視認性の向上、実際のワイヤーやカテーテルの操作に近いモデルを作成することに成功している。当初の目的に沿って、手技に必要な血管領域を限定することで、3Dデータの作成期間やプリント時間の短縮を行った。1次分枝レベルの細い血管分枝は内腔の再現が未だ困難である。アクリルファントムとの適合性は現在確認中である。2017年5月27日 青森CT・MR診断・技術研究会(弘前)にて、カテーテル・ワイヤーの目視、カテーテルによる血管分枝選択が可能なモデルとその応用についてその概要を報告している。2017年4月15日 第76回日本医学放射線学会総会(横浜)にてdual energy CTによる直腸癌化学療法前評価について発表を行っている。2018年1月2日 カテーテルを用いた動脈塞栓術をテーマとしたcase reportを投稿し、Journal of vascular and interventional radiology誌にacceptされている。2018年4月12日 第77回日本医学放射線学会総会(横浜)にてCTによる腎癌術前評価と病理組織との検討について発表を行っている。
3: やや遅れている
現在までに3Dプリンタによる透明中腔血管モデル作成には成功しているが、血管壁が厚く、また均一性が得られず、内部のカテーテル操作やその動きの把握が困難である。3Dデータ作成及びプリンタからの出力時間は昨年度より短縮が得られているが、超短時間には至っていない。アクリルファントムとの適合性も固定方法が決定できず、実現困難である。
次年度はアプリケーションの設定やCT DICOM血管データの加工を行い、血管壁を薄く、均一化したモデルを完成させ、それらとカテーテルの適合性を確認する。またこれらのデータを踏まえ、学内の倫理委員会の許可を得た上で臨床症例への応用を行う。
H29年度は海外発表、英語投稿を見あわせたため、残額が生じた。残額についてはH30年度の成果発表のための旅費及び投稿料に使用する予定である。血管モデル作成には成功しているが、実用的な透過性・耐久性をもつ血管壁の厚みの再現、内腔の再現性に問題がある。次年度はアプリケーションの設定やCT血管データの処理により、十分な透過性を持つ血管壁と内腔の再現性を両立した血管モデル作成を目指し、国際学会発表および論文投稿予定である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
Journal of Vascular and Interventional Radiology
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