本研究はCT画像のみからの確固とした死因診断基準確立を目的としている。日本の変死体剖検率は10%未満であり、先進国の中で極めて低い数値である。死因不明社会となっている現状に、死後画像検査による死因解明をもたらすことは、非常に大きな社会貢献である。今回の研究では、死後CT肺画像によって特定の死因が診断可能であることを示すことができた。それはすなわち、本研究は死因不明社会となっている現状を打破する一助となり得たということである。また今回の研究結果は、死後画像に不慣れな臨床医が、警察から死因についての判断を求められた際、大いな助けとなるはずである。
|