研究課題
原発性脳腫瘍における癌幹細胞は放射線療法や化学療法に対して抵抗性である。癌幹細胞の存在が本疾患を難治性にしている。従って、これを制御することが治療戦略において非常に重要であると言われている。また、高血糖領域には原発性脳腫瘍における癌幹細胞が存在する可能性があることが示唆されている。糖代謝を評価する画像検査としてFDG-PETがある。今回私たちは糖代謝と反映するFDG-PETをアミノ酸代謝を反映したMetionine-PETとの比を取ることにより、従来より鋭敏に当社を評価するFDG/Methinone index imagingを考案した。本研究の目的は原発性脳腫瘍に対するFDG/Methinone index imagingの癌幹細胞の仮説に基づいた新しいイメージングの検討である。原発性脳腫瘍に対してより糖代謝を反映すると考えるFDG/Methionine index imagingを作成し、術後の脳腫瘍のWHO分類との相関、経過観察による再発、予後などを評価する。昨年度より症例数がやや増加し、現在は病変における集積の程度(SUV)を評価するとともに再発の有無や予後について追跡調査している。しかしながら、まだ症例数や経過観察期間などが不十分であると思われ、有意な差を確認するには至っていないのが現状である。また、今後は癌幹細胞とのより詳細な関連を評価するためにCD133陽性率との関連を調べていく方針である。
3: やや遅れている
昨年度より症例数を増やしているが、発生数そのものの、数はそれほど多くない。また、予後、再発に関して評価しているが、有意差がまだ出ておらず、他のモダリティとの評価が遅れているため。
今後はさらなる脳腫瘍症例の症例数の増加と予後、再発の評価を引き続き行い、FDG/Methinone index imgagingの有用性を明らかにしていく方針である。また、膠芽腫におけるマーカーであるCD133陽性率との相関を当院脳神経外科学講座と共同で評価し、本法と癌幹細胞との関連を明らかにしていく方針である。
前年度は海外国際学会への出席がなく、次年度は研究調査費および海外国際学会への積極的な発表、出席を検討している。
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Neuroradiology
巻: 60 ページ: 391-401
10.1007/s00234-018-1991-7