膵癌細胞、胃癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、悪性黒色腫細胞、肺癌細胞等を用いて放射線照射(X線、重粒子線)によるPD-L1の発現を検証したが、上述のいずれの細胞においてもPD-L1の発現亢進は確認できなかった。タイムコースなどの条件を変えたが同様の結果であった。ヒト骨肉腫細胞であるU2OS株でのみ放射線照射の線量依存性のPD-L1の増加がウェスタンブロットならびにフローサイトメトリーにて確認された。特定の癌腫においては放射線照射によりPD-L1の発現が亢進し、それが放射線治療への抵抗性を獲得させる一因となっていることが推察される。
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