本研究では、炭素線照射はRhoシグナル経路のROCKを介して、A549における細胞遊走能や変化能を増大させている可能性がある。これらの結果は、炭素線照射後のNカドヘリンの増加、Eカドヘリンの減少、F actin染色による癌細胞の間葉系へ形質転換が一つの原因となっている可能性が考えられた。しかし、浸潤能においては照射の影響とROCKの影響を確認することができなかった。またInVivo環境による肺転移モデルを完成させることはできたが、照射による転移能の変化とそれに対するROCK阻害剤の効果は未確認である。今後InVivo環境でROCK阻害剤が転移抑制を起こすのか、さらなる研究が必要と考える。
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