研究課題
限局性自己免疫性膵炎(focal AIP)と膵癌の切除症例において画像検査所見(CT, MRIなど)と病理所見の高精度対比を行い、両者の画像での鑑別点を明らかにすることで的確にfocal AIPと膵癌をを非侵襲的な画像検査において鑑別し、臨床に寄与する目的で研究を行った。1.平成28,29年度で既に膵癌切除症例50症例の蓄積、データベース化は終了していた。このため平成30年度はfocal AIP切除症例の追加とデータベース化を行い最終的に19症例のfocal AIP切除症例の集積が可能であった。これらの症例に対して患者背景(年齢、性別、血清IgG4/IgG、腫瘍マーカーなど)の情報を追加し、データベース作成を完遂した。2.Focal AIPおよび膵癌切除症例の術前画像検査は全てDICOM dataにて集積し、個々の画像検査に対してあらかじめ想定していた画像所見(腫瘤サイズ、造影パターン、腫瘤内および辺縁性状、主膵管/胆管性状など)の解析を進めた。また病理標本も各症例において未染色標本を最低5枚ずつ集積し、当院病理部の協力を得て、HE染色および免疫染色(EvG、Azan染色、IgG4/IgGなど)を完遂した。また病理標本の解析で上記の画像所見の根拠となる病理所見の差異(主に小葉破壊の程度および線維化の分布)に関して検討を行った。3.Focal AIPと膵癌の画像所見の差異およびそれらの差異の裏付けとなる病理所見の差異に関して放射線科医および病理医を交えた総合discussionおよびdata解析を行った。またこれらの研究過程において下記論文および関連学会発表/講演を行った他、AIPの診断基準改定にも携わった。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 8件) 図書 (1件)
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