直腸癌の化学放射線療法前後にMRI検査が施行された14例を対象に肛門周囲筋群の厚み,括約筋のT2信号とADC値を計測し,加療前後で比較した.また21例に対し拡散テンソル画像を用いて直腸周囲筋群のFA値,ADC値を計測し,トラクトグラフィーを作成した. 加療後の外肛門括約筋は加療前と比べて厚みが減少し,ADC値の上昇がみられた.また,15軸を用いた拡散テンソル画像から得られた外肛門括約筋のFA値およびADC値との間に中等度の相関がみられた.トラクトグラフィーでは,外肛門括約筋,内肛門括約筋の筋線維と思われるファイバーを描出することができ,手術前の治療計画に有用となる可能性がみられた.
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