末梢性顔面神経麻痺において、早期に予後を予測することは極めて重要である。本研究の目的は、急性期の顔面神経麻痺患者の早期予後診断におけるMRIの有用性を検討し、その結果を治療法の選択に役立てることであった。今回我々は、予後不良因子となり得るいくつかのMRI画像所見を発見した。また、これらの所見はRamsay Hunt症候群(RHS)に特異的な所見であったため、顔面神経麻痺の大多数を占めるBell麻痺(BP)とRHSの早期鑑別におけるMRIの有用性も示唆された。RHSの方がBPより予後不良で、両者は治療法も異なるため、両者の鑑別という意味での予後予測及び治療法決定に寄与すると考えられた。
|