研究実績の概要 |
平成30年度は、昨年度に開発したガドリニウム造影シミュレーションソフトウェアをもとに様々な検証実験を行った。 ・造影剤注入時間を一定として、造影剤量を変化させた場合の時間-信号強度曲線、および同条件におけるピーク信号値 ・造影剤注入量を一定として、造影剤注入速度を変化させた場合の時間-信号強度曲線、および同条件におけるピーク信号値 などについて、実臨床に即した条件でシミュレーションを行い、データを計測した。この実験により、CTにおけるヨード造影剤の振る舞いとは異なる結果が観測され、様々な臨床試験から構築されたCTの造影理論(造影剤注入速度や注入量と造影効果の間にはおおよそ線形の関係がある)は、ガドリニウム造影検査にそのまま当てはめることができないことが明らかとなった。 初年度から昨年度にかけて開発したガドリニウム造影シミュレーションソフトウェアの基礎的な内容と本実験の内容をあわせて論文を執筆し、論文誌に投稿した。(Plos ONE, Under revire @2019年5月現在)実験により得られた事実をもとに、教育的な内容としてまとめたものを放射線科医を対象とした国際学会で発表した。同データについて、教育的な内容として放射線科医を対象とした国内学会のランチョンセミナーにて講演を行った。開発したソフトウェア、および計測に用いた器具、計測により得られたデータなどについて、新規性のあるものをまとめて国内で特許申請した。
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