研究課題/領域番号 |
16K19825
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小泉 洋平 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師(病院教員) (60596815)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 2光子励起顕微鏡 / Elastography |
研究実績の概要 |
2光子励起顕微鏡を用いたSHG(Second harmonic generation)イメージは、コラーゲンの局在を反映することが知られており、斬新な線維化定量評価法として注目されている。このSHGイメージを用いて肝内のコラーゲン線維や肝星細胞の観察を行い、SHGイメージと、申請者らが確立してきたElastographyを用いた非侵襲的肝線維化診断技術を組み合わせて、NAFLDからの肝硬変高リスク群やNASHからの肝発癌高リスク群を明らかにすることを目的としていた。 2016年3月までに、91例のElastography測定と肝生検を施行しており、今後得られた標本をSHGイメージで解析していく予定である。また、SHGイメージの所見とElastographyの測定結果の比較検討も併せて行う予定である。また、肝線維化の初期変化の過程を、NASH肝硬変マウスとcontrolマウスでSHGイメージを用いて観察を行う予定であり、Elastographyが肝線維化初期変化を診断できるか検討していく方針である。 NASH症例のElastographyデータに関しては、2016年度の学会等で発表を行ってきた。今後、SHGイメージの解析データを加えて、論文化・学会発表を行っていく方針である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、1)2光子顕微鏡を用いたNASHモデルマウスの肝線維化評価、2)NASHモデルマウス、正常マウスのShear wave elastographyを用いた肝硬度測定、3)2光子顕微鏡を用いたNASH症例の肝線維化評価とElastography測定であった。 当初の計画では、100例を対象にデータ収集予定で、今年度に生検症例数はおおむね確保できており、得られた生検検体を元に、適切なSHGイメージでの観察方法を確立していく。NASHモデルマウスの肝線維化評価に関しては、NASHモデルマウスの作成は既に着手しており、肝硬変形成までに3ヵ月程度を要する見込みであり、完成次第、肝の観察とElastography測定を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
研究立案時の想定症例数には概ね迫っている状況である。症例数の確保が自院だけで難しい場合には、愛媛肝炎ネットワークを通じて対象症例を紹介して頂く方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究はH28年からH29年の2年間にわたって行う研究であり、データを集積・解析途中の段階である。データ解析・記録用の機器を購入予定であったが、データ集積が終了したのちに購入する方針としたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
必要に応じて愛媛大学医学部附属病院を中心とした肝疾患・肝炎の診療、情報交換のためのネットワーク組織(愛媛肝疾患・肝炎ネットワーク、Ehime Kanshikkan-Kannenn Network: EKEN net)を通じて対象患者を紹介してもらい、データ集積を進める。NASHモデルマウスでの計測がうまくいかなかった場合、再度マウスの育成等を行う
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