デュアルソースCTによる高速二重螺旋状スキャン法を用いた造影心臓CTプロトコルを作成し、先天性心疾患を持つ小児例に撮影を行い、画像データを蓄積した。従来、小児は成人に比べ心拍数が高いため、心臓CTの撮影は困難とされていた。しかし、高速二重螺旋状スキャン法を用いることで心拍数の高い小児例に対しても心電図に同期した撮影法が可能であることが判明した。この研究の成果はJapanese Journal of Radiologyに報告している(Jpn J Radiol. 2016;34:284)。 またこの撮影プロトコルが、先天性心疾患に対する治療法の一つであるFontan手術を行った症例に対しても有用であるかどうかを検討した。Fontan手術後の症例では、肺血流、体循環血流が通常の症例と異なっている。過去の報告では得に小児期の症例に対する造影プロトコルの報告が少ないため、造影CTの撮影タイミングや造影剤注入法なども新たに検討する必要があった。これらの症例の撮影データを蓄積、解析し、成果を、Japanese Journal of Radiologyに報告している(Jpn J Radiol. 2018;36:215)。 現在我々は、本研究の撮影プロトコルで得られた画像を用いて3Dプリンターによる模型作成を行い、実際の症例の心臓の形態を正しく模しているかを評価し、術前評価などに寄与できるよう臨床応用することを目指している。
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