NBCA-リピオドール混合液は血管塞栓術において強力な塞栓物質として有用であるが、有害事象の報告もある。より安全な塞栓術を確立するために、血流下での混合液の挙動を明らかにする実験を行った。NBCA-リピオドール混合液による血流停止時間はこれまで報告がないことから、血流モデルを開発し混合液による血流停止時間を測定した。同じNBCA濃度で静止系でのNBCA-リピオドール混合液の硬化時間と血流モデルでの血流停止時間を比較したところ、有意差をもって血流停止時間が短いことが証明された。これにより、NBCAの硬化が完了する前に、血管内ではNBCAが塞栓物質としての作用を生じていることが明らかとなった。
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