放射線照射により惹起される放射線腸炎では、炎症が病態に重要な役割を果たしているが、不明な点が多い。この病態に新規自然炎症経路であるNLRP3インフラマソームが関与しているとの仮説のもと、研究を行った。12Gyの放射線照射マウスモデルでは、野生型マウスと比較して、インフラマソーム構成分子の欠損マウスでは生存期間が延長し、体重減少や炎症・線維化マーカーの発現も抑制され、この病態の炎症がインフラマソームを介して惹起されていることが示された。また、野生型と欠損マウスのcohouse飼育における腸内細菌叢の解析により、Helicobacter属腸内細菌の病態への関与も示唆された。
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