2020年度は、先に出願した関連特許(特願2018-15131)に対して拒絶理由が示されたが、九州大学の知的財産部門の協力のもと、拒絶に応答した。その結果、画像処理のためのコンピュータプログラム、画像処理装置及び方法、として本件は特許化された(特許第6748866)。本発明は、心臓の心拍の一周期を複数時相に分割して、各時相における心臓の3次元ボリュームデータを記憶するコンピュータが行う画像処理のためのコンピュータプログラムであって、前記3次元ボリュームデータ内の心房または心室の壁の一以上の領域について、前記心房または心室における同期不全の領域を特定する同期不全領域特定ステップと、を前記コンピュータに実行させ、前記同期不全領域特定ステップは、前記各領域のベクトルの方向と、各領域から前記重心へ向かう方向との差に基づいて、前記同期不全の領域を特定するコンピュータプログラムである。本発明によって、心臓の磁気共鳴画像に適用されてきた3次元ストレイン解析を、磁気共鳴画像と類似点の多い、X線コンピュータ断層(X線CT)画像にも適応可能な技術として発展させることができた。 以上の研究実績と、前年度までに報告した修正大血管転位に対する新たな画像診断指標としての臨床研究成果をもって、本研究は完了とする、しかしながら、本研究の過程で開発した技術や、研究成果は、他の心疾患にも十分に応用可能な技術であることから、今後も継続して研究を進める予定である。 また、2019年度に延期となった欧州放射線医学会へ参加して情報を収集することができた。前年度から繰越して未使用となっていた研究費を適切に使用することができた。
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