研究課題
今年度は,まず最初に昨年度に引き続き,ウサギにおいて古典的直接リンパ管造影の手技確立のための実験を行った.下腿リンパ管又は膝窩リンパ節を露出し,30 G リンパ管造影用針を穿刺し,油性造影剤 (リピオドール) を各1 mlシリンジで用手的に緩徐に注入した.注入終了後,動物実験用X線透視装置で撮影を行い全身のリンパ系の解析を行った.今年度,この手技が安定して行うことができ,ウサギにおいて古典的直接リンパ管造影の手技を確立することができた.次にホモジナイザーを利用して純水中で分散したナノダイヤモンド・ガドリニウム複合造影剤(Gd-DTPA-Nd)を用いて,皮内注射による間質MRリンパ管造影を行った(ウサギでのMRI撮像実験前の予備実験として、SD ラットを用いた).SDラットの両側足底に0.1 Mに調整したGd-DTPA-Ndを皮内注射し,MRI装置で撮像した.MRI 装置は1.5T MRI (Achieva, Philips) を用いた.SDラットを検査台に固定し,表在コイルを用いてenhanced 3D T1 high-resolution volume excitation with fat saturation (e-THRIVE) で撮像を行った.得られた画像を確認したところ,リンパ系の描出は不良であった.この原因について,純水中では分散しているものの,生体内でGd-DTPA-Ndが凝集するためではないかと考えられた(一次粒子径がナノスケールであるGd-DTPA-Ndは,炭素-炭素共有結合程度の強固な結合により,数百ナノメートル~数マイクロメートル程度の凝集体を形成してしまう).本研究から,Gd-DTPA-Ndの課題である生体内での凝集を解消することがMRリンパ造影に特化した造影剤を開発することに重要であることが分かった.
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