研究実績の概要 |
マウス皮下腫瘍移植モデルを用いたアブスコパル効果についての検討を進めた。マウス(C57BL/6J)大腿部の皮下2箇所に、腫瘍種細胞株(LLC,B16F10等)を移植し、鉛ブロックを用いて1箇所の腫瘍のみに放射線照射を行い、非照射部腫瘍への影響の評価をすすめた。腫瘍の推移に関しては、個体差が大きく結果の評価と解釈について困難な側面はあった。 末梢血、脾臓より精製した細胞、および、腫瘍の一部をホモジナイズし精製した腫瘍浸潤リンパ球(Tumor Infiltrating Lymphocyte ;TIL)を用いた。各種抗体を用いて、蛍光免疫染色を行い、フローサイトメトリーにて検討の結果、有意差のある結果は得られなかった。一因としては、結果の個体差が大きいことや、TILに関しては腫瘍の一部を用いており、腫瘍内での免疫細胞の局在の差による影響も推測された。また、放射線治療施行患者の末梢血のサンプリングに関しては、昨年度と同様に、継続して施行した。末梢血からは、血漿の分離、またフィコールを用いた比重遠心法による末梢血単核球(PBMC)の精製を施行し、検体の保管を進めた。PBMCに関しては、各種抗体による免疫蛍光染色を行い、フローサイトメトリーを用いた検討を適宜行った。血漿を用いて、液性因子(ケモカインやサイトカインなど)について、マルチプレックスおよびELISAにて検討を施行した。臨床情報との統合解析をすすめている。
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