本研究では、腫瘍と正常組織におけるIn-111 ECやIn-111 DTPAを封入したリポソームの集積量を比較し、より腫瘍内集積を高める工夫を試みた。これらリポソームを複数のヒト腫瘍皮下移植マウスに投与し、体内動態を検討した。In-111 ECの網内系クリアランスには、網内系組織におけるリポソームの分解が極めて重要であった。また、In-111 EC DSPGリポソームを貪食させたRAW264細胞にトランスポーター阻害剤を添加し、どのトランスポーターがクリアランスに関与しているのかを検討した。さらに、エリブリンを前投与することにより、高分子であるリポソームの腫瘍内集積の増加が確認された。
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