研究実績の概要 |
がん診療において,超早期診断や個別化治療の実現化が期待されている。肝腫瘍に対する治療は, 外科的切除術・全身化学療法・IVR(interventional radiology)などがあり,病態により治療法が選択されている。IVRは低侵襲的な局所治療であり, 対象領域・腫瘍の性状・病態に最適な個別化治療の選択が可能な治療法である。本研究の目的は, 肝腫瘍に対するIVRにおける治療効果判定に臨床用高磁場MRIを用い, 細胞壊死・線維化・たんぱく変性・肝機能の変化を検出し,細胞の性状と機能の変化に基づいた早期治療効果判定を行うことである。本年度は評価に用いるシークエンスの開発と臨床応用を行った。 【具体的内容】細胞の性状と機能変化を検知するために、Equivalent cross-relaxanation imaging(ECRI)及びDiffusion weighted image(DWI)を用いて、細胞密度イメージングを行うこととした。肝細胞癌1例及び転移性肝腫瘍10例において、TACEなどの局所治療前に腫瘍のサイズ及びECR値・ADC値を測定し、RECIST criteriaに基づいた治療効果判定と照らし合わせて検討した。 【意義】多様な癌腫の中で、ECRI・DWIの至適な撮像条件を見つけることができた。 【重要性】至適な撮像条件の確立により、早期治療効果判定のための撮像条件を決めることができた。
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