本研究では、グルカゴン様ペプチド受容体アゴニスト(GLP-1RA)の膵外作用に着目し、生体内GLP-1R発現の定量を可能とする核医学イメージングプローブ、及びGLP-1Rが関与する炎症性疾患の診断用プローブを開発した。新規GLP-1Rプローブは、高比放射能、簡便な標識を実現し、GLP-1R高発現組織である膵臓への高集積性、放射能集積領域とGLP-1R発現領域の共局在性を有したことから、GLP-1Rイメージングプローブとして有効であると示された。一方、GLP-1RAによる治療効果の報告のある前立腺がん組織への集積性は低く、治療効果とGLP-1R発現量の相関については今後の詳細な検討が必要である。
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