肺がんは、日本人におけるがん死亡率の1位である。近年、先端医療のひとつとして粒子線治療(主に、陽子線または炭素線)が、徐々に普及しつつある。肺がんに対する放射線治療の副作用(肺線維症等)の解明と防護のため、人体実験を避け、生きたままヒト臓器・組織の長期維持を可能とする我々独自開発のシステムを用いた。 ヒト正常肺移植Super-SCIDマウスに炭素線(1Gy、3Gy)を照射し、2週間後に摘出し遺伝子発現解析を行った。遺伝子プローブの4倍以上の変化は、線量依存的に増加していた。どちらの線量にも共通する遺伝子プローブ数は、4分の1以下に減少していた発現は22個、4倍以上の増加は6個であった。
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