肝細胞癌(HCC)の病態を反映し得るバイオマーカー候補としてSAMSN1遺伝子に着目した。高度発現抑制株はDNAメチル化を伴っており、発現は脱メチル化処理によって回復した。手術症例肝組織中発現は非癌部組織に比べてHCCで高度に抑制され、病期進行に伴って減少した。組織中発現抑制は独立予後不良因子であり、再発形式が重篤となるものほど強く抑制されていた。免疫染色法で蛋白レベルの発現変化が評価可能であった。これらから、SAMSN1はHCCの有望なバイオマーカーとなる可能性が示された。血清SAMSN1 DNAメチル化は検出困難であったため、血清診断より肝組織中での解析が重要と考えられた。
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