• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

胃癌バイオマーカーとしての胃癌組織内浸潤ICOS+CD4T細胞の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K19892
研究機関大阪大学

研究代表者

加藤 亮  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80745422)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード胃癌 / ICOS / 活性化Treg / ピロリ菌 / pDC
研究実績の概要

【胃癌腫瘍浸潤Foxp3+T細胞のICOS発現と臨床的意義】胃癌新鮮組織40例から抽出した腫瘍浸潤リンパ球をFACSで解析した。Foxp3+細胞分画は、ICOSを用いてICOS+Foxp3+CD4+細胞(ICOS陽性Treg)とICOS-Foxp3+CD4+細胞(ICOS陰性Treg)の2分画に区別することが可能であった。Foxp3+CD4+細胞中のICOS+細胞頻度(ICOS+/Foxp3+CD4+)は、pStageに正の相関を示し、ICOS+細胞頻度の高値群では、RFSおよびOSともに予後不良となった。【ICOS陽性Tregの機能解析】ICOS陽性Tregは、ICOS陰性Tregに比して抑制性サイトカイン(IL-10)を多く分泌し、効果細胞(CFSEラベル下)の増殖を強く抑制することから、強い免疫抑制機能を有した活性化Tregであることが考えられた。
【ICOS陽性Tregの発現メカニズム】ICOS陽性Tregの誘導メカニズムとして、胃癌に特徴的であるピロリ菌感染、樹状細胞の一種であるpDCに着目した。結果、pDC上のICOSL発現量は、ICOS+細胞頻度と相関関係にあった。またピロリ菌感染の有無の2群間で、前述のICOS+細胞頻度およびpDCのICOSL発現量・TLR9発現量は、有意差を認めた。胃癌手術検体のブロックを用いた多重免疫染色(Foxp3、ICOS、CD303)でも、同様の結果となった。【バイオマーカーとしてのICOS陽性Treg】末梢血の検討では、末梢血中のICOS+細胞頻度と腫瘍組織内のICOS+細胞頻度が相関し、ICOS+細胞頻度に関しては、末梢血が腫瘍組織内免疫環境を反映していることが示唆された。
【他がん種解析】他がんと比較して、胃癌においてはICOSがFoxp3陽性細胞(Treg)に特異的に発現していることは分かった。
以上より、胃癌においてはICOS陽性Tregを標的とした治療として、ピロリ菌やpDCが標的となりうること、また末梢血中のICOS陽性Tregがバイオマーカーとして有用である可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The influence of Helicobacter pylori on regulatory T cells in gastric cancer2018

    • 著者名/発表者名
      Shinya Urakawa
    • 学会等名
      Society of Surgical Oncology
    • 国際学会
  • [学会発表] 胃癌組織浸潤活性化TregとH.pylori 感染との関連性2017

    • 著者名/発表者名
      浦川 真哉
    • 学会等名
      がん免疫学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi