• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

ラジオ波焼灼療法後に局所再発をきたす肝細胞癌の悪性度獲得のメカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K19895
研究機関徳島大学

研究代表者

山田 眞一郎  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 徳島大学専門研究員 (30579884)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードRFA / 熱刺激 / 局所再発 / HIF-1 / 癌肝細胞 / EMT / miRNA
研究実績の概要

Radiofrequency ablation(RFA)により、温熱刺激が加わった肝癌細胞が悪性度を獲得する機序について、臨床検体を用いて検討した。RFA後に局所再発をきたし切除を行った症例(RFA群:n=10)、RFAを施行せずに初回肝切除を行った症例(non-RFA群:n=78)を用い、RFA群に関しては、以前に他の内科的治療が施されていない症例を選択した。
(1)RT-PCRにより、HIF-1の下流に存在するマーカーのmRNA発現を測定した。①癌肝細胞マーカー:EpCAMはRFA群で有意に高発現(p<0.05)であったが、CD44は両群間で差を認めなかった。②EMTマーカー:TGF-β、Twist、Snail-1はRFA群で有意に高発現であり(p<0.05)、Vimentin発現はRFA群で高い傾向であった(p=0.07)。
(2)免疫組織化学染色により、各マーカーの蛋白発現について確認した。RFA群において、HIF-1と、その下流の癌細胞マーカーであるCD44、EpCAMは、残存腫瘍のフロント部により強く発現していた。
(3)RT-PCRにより、EMTを介して癌の浸潤・転移に関わっているとされるmiRNA200c、miRNA34a発現を測定した。miRNA2001、miRNA34aともに、RFA群で有意に高発現を認めた。
以上より、RFA後に局所再発した癌細胞においてHIF1発現が亢進し、癌幹細胞マーカーの発現を惹起する、またEMTを誘導することで腫瘍悪性度が上昇すると考えられた。RFAの熱刺激による悪性度獲得の機序解明を通じて、RFAの盲目的な適応拡大に警鐘を鳴らし、適切な肝癌治療を行う根拠になる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Pathophysiology of recurrent hepatocellular carcinoma after radiofrequency ablation.2017

    • 著者名/発表者名
      Ikemoto T, Shimada M, Yamada S.
    • 雑誌名

      Hepatology Research

      巻: 47(1) ページ: 23-30

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi